933kcalを運ぶ

ちょっとだけ喫茶店でバイトした。やめてはいないが、テストで2週間休んで、そこから車校で3週間と休めば自然にやめているだろう。

これを通して、自分はどうやら金がなくて野垂れ死ぬことはないんだなと確信した。生きてはいける、その自信がついた。よくわからない店長よりも偉そうな婆はとにかく性格が悪かった。一言多い、それに尽きる。店長もかなり気分屋な人だった。学生時代に教師の機嫌で怒られたことはなかったのか、上に立つ人間が気分で振り回されてはいけない。そんな中、割と耐えてはいたと思う。

かといって嫌なことばかりではない。副店長は優しいし(ピアスのあとがとてもあって、働いていないときの顔が想像できない)、先輩はいい加減にテキトーだった。立地的にもバイトは男ばっかっていうのもよかった。そのせいで婆たちが幅を利かせていたのであろうが。

そこでは、いろいろなことを学んだ。老人の早く死ぬ系のネタに死をぶつけると爆発が起きること。ならこっちに話すな。怪しいビジネスモデルにのっかるやつにはそっち側にも問題があること。まずはロンドンの場所が韓国にあるという認識をあらためてから金儲けは始めたほうがよさそう。食器の効率の良い運び方。

メニュー表の配色は計算されていること。この喫茶店では基本的にメニューは片面は青色、片面が茶色となっている。少し色彩について学べば、青色は相手を軽やかな気分にさせるため、茶色は相手を落ち着かせるために配色されていることは明らかであろう。店長から厳しく当てられ始めたのはメニューを置く向きは時間帯に応じて変えたほうが良いといった時からであろうか。時給990円のバイトは余計なことは言わないほうがいいらしい。他にも、老人向けの雑誌は上のほうに置いたほうが良いだとか、子供用の座椅子のストックは喫煙所側ではなく、禁煙席側に置いたほうがいいだとか言ったが、まあそんなことわざわざ言わないほうがいいわけで…

というわけで、933kcalと0kcalを運んで店内を何往復をしたあと僕はバイトをやめた。いろいろ勉強になった。ありがとな。やりたいことも決まったし、後期からは少し遠い写真館でバイトします。そこでは片付けで日を跨ぐこともなさそうだしな。